【司祭ティアラ】 この部屋で祈っていると、 自分の非力さを痛感します。▼ 【シャルン】 ここって、この町で亡くなった人 全員が祀られてるんだよね。▼ 【司祭ティアラ】 はい・・・▼ でも、この町ではご遺体だけではなく ご遺品も見つからないことも 珍しくはありませんから、 納骨堂とは名ばかりなのですが・・・▼ 【シャルン】 ねえ、ティアラ、 クラウスって男の人知ってる?▼ 【司祭ティアラ】 クラウスさんですか? 存じていますが・・・▼ 【シャルン】 ほ、ほんと!?▼ 【司祭ティアラ】 もしかして、シャルンさんは クラウスさんの妹さんなのですか?▼ 【シャルン】 あたしのことも何か言ってたの!? ティアラ、お願い、 兄さんの話を聞かせて!▼ 【司祭ティアラ】 クラウスさんは月に1度くらい 礼拜に来て下さっていました。▼ そして、礼拜の後に何度かお話を したこともあります。▼ その時によく妹さんのお話を してくださいました。 私と同じくらい年頃の妹がいると・・・ それがシャルンさんだったのですね。▼ 毎日男の子と喧嘩しては 傷だらけで帰ってくるような、 お転婆で負けず嫌の女の子だけど、 本当は人一倍優しい女の子だと・・・▼ ほかにも、 毎月妹から来る手紙が楽しみだとか、 妹がやっと聖水授与の歳に なったとか・・・▼ 饒舌な方ではありませんでしたが、 一言一言にシャルンさんへの愛情が 感じられて、話を聞いている私の方が 幸せになったのを覚えています。▼ 【シャルン】 兄さん・・・▼ 【司祭ティアラ】 シャルンさん、 すこし待っててください。▼ 【司祭ティアラ】 シャルンさん、これを・・・▼ 【シャルン】 ・・・?▼ 【司祭ティアラ】 クラウスさんが着ていた鎧です。 今日のこの日を予感していたのかも しれません。▼ クラウスさんのお友達が ご遺体の代わりに燃やしてくれと 持ってこられたのですが、 燃やさずに保管しておきました。▼ シャルンさんにお返しします。▼ シャルンさん・・・▼ 【シャルン】 大丈夫、泣いてないよ。 もう泣かないって決めたから・・・▼ ありがと、ティアラ・・・ 本当に大丈夫だから・・・▼ ごめんね、待たせて。 行こ、○○!▼ |
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