【シャルン】 ガイウスさん、 お願いがあります。▼ 【刀匠ガイウス】 ・・・・・・▼ 【シャルン】 この鎧を直して下さい。▼ シャルンは兄の形見の鎧を差しだした ・・・・・・▼ 【シャルン】 お金なら幾らでも払います。 お願いです、この鎧を直して下さい!▼ 【刀匠ガイウス】 断る。▼ 【シャルン】 あたしが今まで貯めたお金を 全部差し上げます。 借金しても構いません、だから・・・▼ 【刀匠ガイウス】 世界が滅ぶだの騒いでいる時に、 借金の証文を信用する馬鹿な人間が いると思うのか?▼ 【シャルン】 じゃあどうすれば・・・▼ 【刀匠ガイウス】 それに、問題は金ではない。 断った理由は2つある。▼ まず1つ・・・ ここにいる刀工は、 人の命を守るための道具などに 何ら興味がないということ。▼ 幾度か戯れに造ってみたが 全く興奮せぬ。▼ いかに速やかに相手の命を絶つか、 関心があるのはそれだけだ。 その持ち主が死のうが生きようが 知ったことではない。▼ そしてもう1つ、 その金属の擦れ合う音からして 貴様が持っているのはありふれた チェインメイルなのだろうが、▼ 動き易さと量産性を重視した その鎧では、幾ら改良を加えても 防御効果はたかが知れている。 つまらぬ仕事を請けるつもりはない。▼ 【シャルン】 でも・・・▼ でも、あたしはこの鎧を着て 戦いたいんです!▼ 【刀匠ガイウス】 愚かな女だ。▼ そんなものより実用的な鎧など、 アスラ・ファエルの奥には 掃いて捨てるほど落ちていよう。 何故それにこだわる?▼ 【シャルン】 これは兄の形見の鎧なんです・・・▼ どうしてもこの鎧を着て 戦いたいんです。お願いです!▼ 【刀匠ガイウス】 現在装備している防具より 自分の命を危険に晒す確率が 高くなってもか?▼ 【シャルン】 ・・・はい。▼ 【刀匠ガイウス】 わかった。 そこまで言うなら造ってやる。▼ 【シャルン】 ほ、本当ですか!?▼ 【刀匠ガイウス】 ただし、 防具としての機能を殺ぎ落として、 攻撃力を上げる改良を施す。▼ それでもよいならば置いて行け。▼ 【シャルン】 は、はい!▼ 【刀匠ガイウス】 クムランといい、 つまらぬ仕事が続くものだ・・・▼ これが・・・兄さんの・・・▼ ありがとうございます、 ガイウスさん!▼ 【刀匠ガイウス】 金は要らん。 死んでこい。▼ |
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