持續了千年歲月的和平時代已成昨日雲煙,這是被後代歷史學家稱做「黃昏時代」的揭幕期‧‧‧



【イヴ】
気味の悪い部屋ね・・・

【イヴ】
出てきたわよ、最後の十三聖者が。

【聖者アヴァダイル】
彼らは敗れたのか・・・

【イヴ】
そうみたいね。

【聖者アヴァダイル】
そうか・・・

君達は何故戦い続ける?

この世界に救いのないことは
嫌というほど知っているはずなのに。

【イヴ】
お生憎様、
あたしは物分かりの悪い性格なの。

それに、あなたに対抗して
言う訳じゃないけど、
そう捨てたものでもないわよ、
この世界って。

ま、だからといって
世界のために戦うなんて
歯の浮くようなセリフだけは
死んでも言わないけどね。

で、これがあなたの
確かめたかったことなの?

【聖者アヴァダイル】
昔話をしよう・・・

君達が太陽帝国と呼ぶ国、
その国の真の名を
ベアルファレスという・・・

ベアルファレスの民も、
初めは神の存在を信じ、
神を奉っていた。

現代よりも遥かに高度な
物質文明をもちながら、

それでもおごることなく
人の善なる面と悪なる面とを
正確に見つめ、

現実から目を背けることなく、
真実、つまり人の絶対の真理を
ひたむきに追い求めていた・・・

だが、彼らは人間という種を
知るうちに1つの結論を得た。

魂が肉体という鎖に縛られている限り
真実には永遠に辿り着けないと・・・

物欲、性欲、食欲、独占欲・・・
肉体があるがゆえ数多の欲が生まれ、
欲望がある限り争いはなくならない。

不安、孤独、嫉妬・・・
人の魂が肉体という鎧の裏に
隠れている限り、

人の心を蝕む負の感情も
なくなることはない。

このままでは
人間に未来などない・・・

地上世界の半分を支配する
大帝国を築きながら、
彼らはそれをあっさりと捨て
この地に新天地を求めた。

そして、ここで彼らは
忌まわしき肉体と別れる事を
決意した。

【イヴ】
肉体と別れる・・・?

あまり聞きたくないけど、
もしかして・・・この部屋って・・・

【聖者アヴァダイル】
そう・・・
ここは彼らの脳を納めていた玄室。

彼らは自らの脳を取り出し、
それを永久不滅の人工的な神経組織、
つまりこの建物に吸収させていった。

【イヴ】
まともじゃないわね・・・

【聖者アヴァダイル】
そこはまさに究極の楽園だった。

人々は死や病の恐怖から解放され、
お互いが完全に理解し合う・・・

希望は全て叶い、
悲しみは全て姿を消していく・・・

彼らは夢のような世界を
創っていった。
そう、彼らは神になったのだ。

【イヴ】
この建物の中じゃないと
何にも出来ない神サマ?
内気な神サマもいたものね。

【聖者アヴァダイル】
もちろん、この装置との融合は
第1段階に過ぎない。
彼らの最終目標、それは・・・

【イヴ】
物質世界と精神世界の融合・・・

【聖者アヴァダイル】
そう・・・

物質世界と精神世界の完全な融合、
それこそが究極の世界・・・
『完全な神』の姿だ。

【イヴ】
完全な神・・・?

【聖者アヴァダイル】
神とは何か・・・

神とは人の力を越えた存在、
人間以上の存在・・・
だが、そんなものは本当に
存在するのだろうか?

答は否だ。
そのようなものなど
存在するはずがない。

なぜなら、神は人間の想像の
中にのみ生きる存在だからだ。
人間の脳細胞の外には
生きられない存在だからだ。

神が人を造ったという神話は多い。
だがそれは誤りだ。
人間達が、自らの理想を重ね
神を造ったのだ・・・

だが、ベアルファレスの民が
なろうとする『完全な神』は違う。

『完全な神』は、
世界を創造することも、
時を支配することも、

そして自分自身を
創り直すことも全て可能だ。

それは想像上の神ではない。
『完全な神』は、自分自身と、
そして世界を創造することの出来る
初めての神となるのだ。

ベアルファレスの民の
計画は慎重だった。

彼らはまず、自らの意志を
執行する者として私達を生み出し、
そして地上に送り込んだ。

私達は、諸民族の雑多な
価値観を統一するため、
アノイアという偶像を造った。

私達が生み出した
架空の人物『アノイア』による
人間の精神世界の改造は順調に進んだ。

過去の神々は消え去り、
代わりにゼメンとゼウェアクという
表情のない絶対神が
人々の倫理観を支配する。

そして『完全な神』が全てを占める
『新しい世界』こそが
人類の希望であると
人々の心の奥深い層に植え付け、

人間を従順な神のしもべに
変えていった。

『人々の神を求める声』
『復讐と怒りを司る魔物』
『第二の預言者の誕生』・・・

そう・・・
アノイアの聖書に記されている
『新しい世界』へのあらすじもまた、
1万年前から定められていたのだ。

私達はそれをなぞって
歴史を陰から操作してきた・・・

そして今、
彼らの計画は完成しつつある。

人々は『新しい世界』を心から望み、
物質世界は崩壊の兆しを見せている。

『光の扉』が開いたのは
ほんの一瞬だったが、あの一瞬で
『神』は世界の全てを知った。

『新しい世界』の到来、
『完全なる神』の誕生は近い。
だが、これも君達の協力が
あったればこそだ・・・

神に逆らう悪魔よ、
君の血を以て
最後の封印を解かせてもらう。


最後の封印
"AVADHAIL"

Mission complete




【聖者アヴァダイル】
これで・・・
これでやっと解放される・・・

【イヴ】
あなた達は一体何者なの?
どうして○○を
こんな所に呼んだの?

今度こそ本当のことを
教えてもらいたいわね。

【聖者アヴァダイル】
数え切れない程の
『アザレの石』と『紫の剣』を使い、
数え切れない程の人の魂を乗り継ぎ、

1万年も輪廻を繰り返してきた
呪われた道具・・・
それが私達の正体だ・・・

私達が乗り継ぐ『魂』というものは
人の寿命以上は生きられない。
だから私達はその都度
輪廻を繰り返してきた。

『紫の剣』は、
凶戦士を生み出す為のものでも、
不死の人形を造る為のものでもない。
それは副産物にすぎない。

『紫の剣』は、
私達が乗り継ぐための魂を
生け贄から抜き出すための
道具に過ぎないのだ。

『アザレの石』も同じ・・・

『アザレの石』は、
永遠の命をもたらすものでも、
不死の人形を造る為のものでもない。
それは副産物にすぎない。

『アザレの石』は、
宿り木に選んだ魂が壊れぬよう、
元の肉体が滅ばないようにするための
道具に過ぎないのだ。

私達はこの2つの道具によって
1万年も死と復活を繰り返してきた
肉体を持たない思念体・・・
それが私達の正体だ・・・

【イヴ】
じゃあ、人の希望が
あなた達を生み出したってのも
嘘だったわけね。

【聖者アヴァダイル】
それは嘘ではない・・・

私達の創造主、
ベアルファレスの民の意志は
人々の希望の実現にあった。

【イヴ】
でも・・・

【聖者アヴァダイル】
いや・・・

君達がどう否定しようと、
人々の希望は、
肉体と霊魂の境界のない
老いも死もない永遠の世界にある。

人々は他者と違うものを排除し、
他人に理解されない事に不安を感じ、
死や病の影に怯え生きている。

1万年前も、そして今も、
人間の本質は
何ら変わっていない・・・

そう・・・
変わってしまったのは私達だ・・・

【イヴ】
どういうこと?

【聖者アヴァダイル】
1万年という月日は
あまりにも長かった・・・

時間と共に、私達の信念は
繰り返される小言になり、
熱意は自動機械じみた身振りになり、
理想は干涸らびた習慣になっていく。

そのうち、
私達は相反する2つの感情を
持つ自分自身に気付いた・・・

神の意志の執行者として
人々の希望を実現させる使命感、
そして、永遠に繰り返される
輪廻への絶望・・・

【イヴ】
絶望・・・?

【聖者アヴァダイル】
永遠のように繰り返す死と再生・・・

神に定められた役目を終える時まで、
人々の希望が全て満たされるまで、
私達がこの世界から
消えることは許されない・・・

私達は、
自分達の使命に誇りを持ちつつ、
同時に自分達の使命を呪った。

そう・・・
私達は、神の楽園を守りながら、
その一方で悪魔の到来を望んでいた。

【イヴ】
それが○○・・・

【聖者アヴァダイル】
そしていつしか私達は、
『永遠の世界』を望まない
自分自身がいることに気付く・・・

使命を呪ったからだけではない。
人を、そして世界を知るうちに、
いつしか、この世界にも価値があると
思い始めていたのだ。

それはアノイア教にも
反映されている・・・

アノイアの二大神
ゼメンとゼウェアクは
私達の葛藤する2つの感情が
生んだ神でもあった・・・

使命のために殉じる心と
永遠に繰り返す輪廻に絶望する
2つの心の葛藤・・・

『永遠の世界』を信じる心と、
『現在の世界』を肯定する
2つの心の葛藤・・・

結局、その答は見つからなかった。

だが君達は、私達が1万年かけても
導き出せなかった答に
自分達の力だけて辿り着いた・・・

君は神の定めた未来を受け入れ、
そしてそれを乗り越えた。

そして君は、
神の定めた未定にあらがい、
自らの手で未来を
切り開こうとした・・・

君達は過去や周囲の価値観に
縛られる事なく、
自らの手で信じるものを創り出し、
そしてそれを自らの力で守りぬいた。

私は、そこに真実を見た・・・

【イヴ】
そんなに深く考えて
行動した訳じゃないけど・・・
少なくともあたしはね。

【聖者アヴァダイル】
あと数刻後に
精神世界と物質世界の融合の
最後の段階が始まる・・・

その前に、私の最後の力で
君達を神の世界に送りこむ。

1万年の月日が変えたのは
私達だけではない。
時間は容赦なく神をも変えた・・・

だが、君達なら勝てると信じている。

神を、
ベアルファレスの亡霊を
消し去ってくれ・・・


【イヴ】
これが・・・神サマなの・・・?

【イヴ】
1万年前の人間から生まれた神・・・
でもこの醜い姿は・・・

そうね、
ゼメンとゼウェアクが融合してるのね。
途中で邪魔されて崩れたみたいにも
見えるけど・・・

どうやら賭けはあたしの
勝ちのようね。
じゃ、早く終わらせましょうか。
約束のモノ、忘れないでね。


神の世界
"Bealphareth"

Mission complete

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Li20030809