持續了千年歲月的和平時代已成昨日雲煙,這是被後代歷史學家稱做「黃昏時代」的揭幕期‧‧‧




精神の道
"Via Dolorosa"

Mission complete




【イヴ】
真っ暗ね・・・
今度はどんな趣向で
もてなしてくれるのかしら。

あの子供・・・もしかして・・・

【影】
見て、銀色の髪よ。
気味が悪いわ・・・

【影】
あの子と遊んじゃいけません!
汚らわしい!

【影】
あの子の父親って
バニアから逃げてきた
犯罪者なんでしょ?

【影】
違う違う、
ありゃ東方の異教徒の目だ。

知ってるか?
東方の異教徒と目が合うと
呪い殺されるんだぜ。

【影】
ごめん・・・
お母さんがあなたとは
遊んじゃいけないって・・・

【影】
あの子、母親が死んだ時に
涙1つ見せなかったのよ・・・

【影】
すまないな・・・
部屋代は返すから
出ていってもらえないか?

その・・・
家内が気味悪がってな。

【影】
可愛くない子供ね・・・
なんだか、人の心を
見透かしてるようで気味が悪いわ。

【影】
あっち行け!
お前となんか遊んでやらないよっ!!

【イヴ】
・・・だからなんなの?

生まれた時から言われ続けた言葉よ。
もう聞き飽きたわ。

【聖者アヴァダイル】
寂しさを癒したくはないか?

【イヴ】
何それ・・・
新手の商売の宣伝文句?

【聖者バルカイル】
『新しい世界』には、
時間も空間も存在しない・・・

個人を分ける境界もなく、
人々を苦しめる病気や死もない・・・

【聖者アヴァダイル】
髪の色で差別さねることもない
寂しさに涙することもない。
そう、そこには君の望む世界がある。

【イヴ】
生憎ね、
そんな世界なんて興味ないわ。

【聖者アヴァダイル】
肉体を失うのが怖いのか?
肉体など魂を縛りつける鎖だ。

その鎖を断ち切ることによって、
はじめて人は
死や老いの恐怖に縛られない
真の自由を得ることが出来る。

【イヴ】
あたしには関係ないわ。
今でも自由だと思ってるもの。
それに寂しいとも思わないし。

【聖者アヴァダイル】
何故否定する?
君は誰よりも『新しい世界』の
到来を望んでいるのに。

【イヴ】
そんな寢言を言うために
わざわざ舞台を真っ暗にして
子供の頃の思い出見せたの?

趣味の悪い人達ね。
うんざりだわ。

【イヴの虚像】
もっと正直になれば?

【イヴの虚像】
人の優しさに誰よりも
飢えてるくせに。

【イヴ】
そうかしら・・・
自覚はないけど?

それに、たとえそうだとしても
やっぱりあたしは今の世界がいいわ。

そうは見えないかもしれないけど、
これでもまぁまぁ気に入ってるの。
この世界も、
この世界で出会った人間もね。

【イヴの虚像】
奇麗事で誤魔化さないで。

【イヴ】
奇麗事で誤魔化して何が悪いの?
こんなの生きるための知恵よ。

むしろ褒めて欲しいわね。
口先だけでもこの世界のことを
気に入ってるって言えるなんて、
健気でかわいいじゃない。

【イヴの虚像】
強いわね。
でも、やっぱり理解出来ないわ。
どうしてこの世界を守ろうとするの?

あんなひどいことを言われ続けて、
石を投げつけられたことだって
あったのに・・・

寂しくて、心の中で
いつも泣いてたくせに・・・

【イヴ】
さっきから何?
寂しいだなんて
勝手に決めつけないで。

【幼い頃のイヴ】
嘘・・・
強がる必要なんてないのよ。

【イヴ】
マ、ママ・・・?

ほ、本当にママなの?

【幼い頃のイヴ】
ほら、思い出してきた。

過去を思い出すのは
意外と簡単だったでしょ?

【イヴ】
ママ!!
こっちを向いて!

ママ・・・

【幼い頃のイヴ】
やっと本当の心を
みんなに見せてくれたわね。

ママが死んでから、
あたしを好いてくれる人は
1人もいなかった。

銀色の髪を見て、生まれを聞いて、
みんなあたしに
嫌悪感を持った・・・

【幼い頃のイヴ】
石や泥を投げつけられた時の記憶は、
無理に忘れようとしてただけ・・・

【幼い頃のイヴ】
斜に構えて皮肉を言うのも、
本当の自分をさらけ出すのが
怖いから・・・

本当の自分を嫌われるのが
怖いから・・・
寂しさを認めるのが怖いから・・・

【イヴ】
違う・・・違う・・・!!

【幼い頃のイヴ】
本当のあたしを知っているのは
ママ1人だけ・・・

たとえ周りのみんなから嫌われても、
それは本当のあたしじゃない・・・
本当のあたしは、
ママにちゃんと愛されている・・・

そう思うことで自分を守ってきた。
1人で生きてこれた・・・

【幼い頃のイヴ】
でも、本当は1人で淋しかった。

【幼い頃のイヴ】
あたしを今まで支えていたのは、
優しかったママの記憶・・・

【幼い頃のイヴ】
その記憶を失うと
あなたはどうなるのか・・・
考えてみたことない?

【イヴ】
やめて・・・
あたしの記憶を消さないで!

【聖者ハンリアル】
あなたはもうわかってるはず。
この世界に本当の安らぎなんて
あるはずのないことを。

でも、『新しい世界』では
みんなが分かり合える。
人を包む殻がなくなり、
1つになれる・・・

【聖者ウェルカイル】
『新しい世界』では、
愛する母親とまた会える。

そして、みんなと心の底から
理解し合える。

さあ、願うんだ。
『新しい世界』の到来を!

【イヴ】
聞きたくない!

マ、ママ・・・

きゃぁぁぁぁ!!

【聖者アヴァダイル】
預言者よ、目覚めよ!
『新しい世界』の扉を開け!!

【聖者アヴァダイル】
長かった・・・
1万年も待った・・・

【聖者バルカイル】
これでようやく
真の永遠が・・・
真の安らぎが手に入る・・・

【イヴ】
そ、そんな・・・
あたしはただ・・・

【聖者バルカイル】
『新しい世界』の声を聞き、
『始原の地』への扉を開く者、
それが第二の預言者・・・

汝はその預言者になったのだ。
何を悲嘆する?

【聖者ウェルカイル】
聞こえてこないか?
『新しい世界』の胎動が、
人々の歓喜の声が!

【イヴ】
○○!
あたしを殺して!!

【イヴ】
違う!
どうすれば悪魔になれるか
わかったのよ!

あたしを殺せばいい!
預言者を殺せば悪魔になれるのよ!

【聖者アヴァダイル】
正解だ。
神と戦う資格を得るためには

聖書にかかれてある通りに
預言者を殺さなければならない。

【イヴ】
あなたになら殺されても構わない!
だから!! 早く!!

【聖者ウェルカイル】
だが、『始原の地』への扉が
完全に開き終わるまで、
それを許すわけにはいかない。

【イヴ】
○○!!

【聖者ウェルカイル】
殺しはしない。

○○君には
『始原の地』への扉が開いた後に、
『新しい世界』への呼び水となる
役目があるのだから。

くっ、誰だ!?

【不死者ファトゥム】
やはり届かぬか・・・

【聖者ウェルカイル】
な、何故ここに!?

【聖者バルカイル】
うろたえるな、ウェルカイル。
奴は魂を持たぬ人形・・・
どう足掻こうが悪魔にはなれぬ。

【不死者ファトゥム】
余裕だな。
もう神になったつもりか?

○○、この槍を持て!
これで奴の心臓を貫け!

【聖者アヴァダイル】
残念だが
まだ預言者は殺させない。

世界を紡ぐ者は我々であって
預言者も、そして悪魔も
そのための道具に過ぎないのだから。

【聖者ウェルカイル】
残念だったね。
でも、預定外の存在は
今ここで排除させてもらうよ。

【不死者ファトゥム】
うぐっ!!

や、槍を!!

【イヴ】
○○!

【聖者バルカイル】
何故立ち上がる?
汝は困難を共に乗り越えてきた仲間を
自らの手で殺すというのか!?

【イヴ】
○○、お願い!!
あたしを殺して!!


・そんなこと出来ない!!
・イヴ、お前のことは忘れない!




・そんなこと出来ない!!

【イヴ】
○○、ありがとう・・・
楽しかったわ・・・
でも・・・お願い・・・


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・CONTINUE



・イヴ、お前のことは忘れない!



・BACK
・CONTINUE



【不死者ファトゥム】
頼む・・・

【イヴ】
ありがとう、○○・・・

【聖者バルカイル】
そ、そんな馬鹿な!!

何故・・・
何故こんなに容易く
預言者の結界が・・・

【クムラン】
これが人の力ですよ。

【聖者ウェルカイル】
ば、馬鹿な!!
第二の預言者の死は
まだ先のはず・・・

【クムラン】
あなた方の信じる運命よりも、
仲間を思う心の方が強かった・・・

使い古された言い回しですが、
そう答えるほかありません。

【聖者バルカイル】
そんな馬鹿な・・・

【クムラン】
神や伝説を否定すること、
それが私の導き出した答です。

あなた方の神も正義も真実も
もう私達には必要ありません。

【聖者アヴァダイル】
・・・・・・

【クムラン】
アノイア教を創り、
人々に1つの普遍的な価値観を
植え付けたのも、

世界中の人々に
永遠の命という夢を見せたのも、

すべては『新しい世界』という名の
幻想を人類に持たせるため・・・

【聖者バルカイル】
幻想・・・だと?

【クムラン】
人類共通の理想が存在することが
悪いことだとは思いません。

ですが、その幻想に縛られ
個人個人の自由が無くなっては
その理想もただの悪弊となります。

まして、その実現のために人の命を
簡単に与えたり奪うなど・・・
私達はあなた方を断じて認めません!

【聖者バルカイル】
言いたいことはそれだけか、
神に仇なす者共め!

【聖者アヴァダイル】
約束通り神と戦わせてやろう。
来るがいい、『始原の地』へ。

【聖者バルカイル】
馬鹿な!
光はまだ消えたわけではない。
行かせるべきではない!

【聖者アヴァダイル】
勿論『新しい世界』の到来を
諦めたわけではない。

だが、確かめたくなったのだ。
彼らの言う真実を。

それに、その者にはその資格がある。

【聖者バルカイル】
だが・・・

【聖者アヴァダイル】
下がれ、バルカイル。

我々の真実はこの門の向こうにある。
来るがいい、若者よ。




【毒術師サディーヤ】
・・・!!!

【クムラン】
ティアラさん、
彼らをお願いします。

【司祭ティアラ】
は、はい!




【クムラン】
よく頑張りましたね、
○○さん。

【イヴ】
○○・・・

なんだか顔を合わすのが
ものすごく恥ずかしいんだけど・・・

こんなことなら殺されてた方が
マシだったわ。

【クムラン】
イヴさんには
仮死状態になってもらいました。

聖書の文面からこうなる事を察知し、
刺さった瞬間に凍結魔法が
局所的に作動する槍を、
ガイウスさんと共同で造ったのです。

彼らを騙せるかどうかは
賭けでしたが・・・

【イヴ】
ふーん、つもり
あたし達まで騙したってわけね。

【クムラン】
すみませんでした、
イヴさん、○○さん。

お伝えする時間がなくて・・・

【イヴ】
ま、いいわ、終わったことだし。
2度と思い出したくはないけど。

あら、そういえばあの人は?

【司祭ティアラ】
ファトゥムさんは
サディーヤさんと一緒に地上に・・・
でも・・・

【クムラン】
体の傷は治っているのですが、
意識が戻らないのです。

ファトゥムさんの望んでいた
永遠の眠り、
それがこのような形で
訪れるなんて・・・

途中でファトゥムさんと
はぐれてしまったことを
後悔しています。

【クムラン】
急ぎましょう!
扉が閉じてしまいます!!


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